二十四節気、一年間限定のスタイル提案blog
日南の限りを行て日の短きの至りなれば也 <暦便覧より>
一年中で最も夜の長い日。
この日より日が伸び始めることから、古くはこの日を年の始点と考えられた。
冬至南瓜や柚湯の慣習が残る日。

ろうそくは大別して原料・成形方法が異なる和ろうそくと洋ろうそくに分けられますが
和ろうそくはハゼノキの果実からとれる木蝋をイグサと和紙からなる芯に塗り重ねて成形され、純粋に植物性なのです。

クリスマスの灯りはキャンドル(洋ろうそく)にまかせ、
和ろうそくには何でもない日々の暮らしを照らしてもらいましょう。
和ろうそくの形は、大きく分けて二つ。
「棒型」と、肩の部分が広がった「いかり型」です。
またろうそくは、重さで区別します。
一匁(匁・もんめ・は約3.75グラム)でおよそ三十分、 五匁で一時間半ほど燃えつづけます。
櫨の実から搾り取った木蝋を加熱して溶かし、和紙およびイグサの芯から作った灯心で作った芯の周りに手でかけて乾燥させて作る。
完成したろうそくは、断面が年輪状になり、 ハゼの油のみで作ったろうそくが最も高級とされています。
洋ろうそくに比べ光が強く、長時間保(も)つと言われています。
また融点が低いため融けたロウの温度が洋ろうそくに比べて低温であるようです。

室町時代に中国から渡来し、江戸時代に最盛期を迎えた和ろうそくですが
明治以降は洋ろうそくや電気の普及にしたがい生産量は減少してきました。

何でもない日々の暮らしを和ろうそくの灯りで彩ってみてはいかがでしょうか。
DATA: 写真・文 橋本忍

2008年も残すところあと1週間余り。
今年もまた1年があっという間に過ぎていってしまう。
子供の頃は1年があんなに長く感じたのに、どうして大人になると1年がこんなにも早く感じてしまうのだろうか。
楽しい時間はあっという間に過ぎ去って・・・というのが世の常ならば、なかなか不思議な現象に遭遇していることになるのだが、きっとそれが大人になるという事なのだろう。
2008年の最後の日、つまり12月31日は大晦日である。
大晦日には様々な年越し行事が行われるが、寺院を訪れて「除夜の鐘」を撞きにいく方もおられるのではないだろうか。
ご存知の通り、除夜の鐘は108回。この108という数には諸説があるが、一般的に広く知られているのは、「人間の108ある煩悩を滅するために撞く」ということだろう。
詳しく調べてみると「眼・耳・鼻・舌・身・意の六根のそれぞれに好・悪・平があって18種。この18種にそれぞれ浄・染の2種があって36種。この36種を前世・今世・来世の三世に配当して108となり人間の煩悩の数を表す」のだそうだ。
また、「月の数の12、二十四節気の数の24、七十二候(二十四節気をさらに約5日ずつ分けた期間のこと)の数の72を足した数が108となり1年間を表す」という説もあり。
どちらにせよ、この1年間を総括して感謝と反省、そして願いを込めて鐘を撞けば、その音色は自分の心に清々しく響き渡ることだろうと思う。
鐘の音に、耳を澄まし、心を澄ましてみる。
自分自身と向き合って己を見つめなおしてみる。
そして、新たなる歩みを踏み出していく。
2009年の鐘の音は、きっと福音になるに違いない。
さて、この冬至の回をもって2008年の「時雨」も更新納め。
次回は新年明けて、1月5日の小寒でお会いしましょう。
皆様、2008年のご愛読ありがとうございました。
よいお年を。

撮影場所・西本願寺札幌別院
DATA: 写真・文 山田憲治
日々の暮らしのカレンダー。でも、それに従うだけじゃつまらない。
自分だけの、自分のための、ちょっと特別なカレンダーを。
これからの1年、美しく粛々とした季の暮らしに触れて過ごしてみたいと思います。
冬至のくらしごと
~漆器のあつかい~
乃東生~ナツカレクサショウズ
年末年始をはさむこの時期は
師も走る慌ただしさと、打って変わった静けさとが共存する
実に日本らしい節気
うるしもの

今年最後の「くらしごと」として
お正月に使う「漆器」の準備をしてみよう。
湿気・乾燥の両方を嫌う、デリケートな器・・それが漆器。
欧米では「Japan」と尊敬を込めて呼ばれるほど
その美しさは日本人のみならず、人の心をとらえるものがあるみたい。
デリケートなものほど・・
手間がかかるものほど、に審美的価値をもつもの。
漆器も現代ではそれを模した成分が開発されたり
ベースとなるものも木よりプラスチックのものが多くなり・・と
やや寂しい変化をしてきているけれど
せめて、新年を迎えるこのとき位は
本物の漆の手触りや美しさを愛でながら過ごしたいもの。
漆器は使う数日前に箱から出し、カビやくすみを確かめる。
くすみがあったら乾いた布で拭き擦るように
「からぶき」は漆に最も優しい作業
そしてあとは・・出番をゆっくりと待つだけ。
一年に一度だけ、いそいそと出してくる
そんな器が、あっても良いのかもしれない
そんな漆器の支度もまた、師走の喜びであったりもして。
冬至冬中冬初め とうじ ふゆなか ふゆはじめ

冬至を境にして日はだんだんと長くなり、寒さはますます強くなる
この頃に戴く習慣のあるかぼちゃ、他にきんかん、ゆずなどは
そんな寒さから身体を守り、風邪を予防する意味でも
まったくもって理にかなったたべもの
冬至かぼちゃもいいけれど
今年は
この時期に昔から薬代わりに作られていた「はちみつ生姜」を作ってみたい
作り方は簡単
生姜を薄切りにし、たっぷりのハチミツに漬けるだけ
生姜の成分がゆっくりと溶けだしたはちみつは
湯に溶かせば甘いしょうが湯となり心も体も温める
キッチンの片隅におく常備薬
冬の楽しみがまた増えた。
DATA: 文・写真 井川美香
時雨shigure 次回更新は【小寒・1月5日】の予定です

一年中で最も夜の長い日。
この日より日が伸び始めることから、古くはこの日を年の始点と考えられた。
冬至南瓜や柚湯の慣習が残る日。
日々を彩る

ろうそくは大別して原料・成形方法が異なる和ろうそくと洋ろうそくに分けられますが
和ろうそくはハゼノキの果実からとれる木蝋をイグサと和紙からなる芯に塗り重ねて成形され、純粋に植物性なのです。

クリスマスの灯りはキャンドル(洋ろうそく)にまかせ、
和ろうそくには何でもない日々の暮らしを照らしてもらいましょう。
和ろうそくの形は、大きく分けて二つ。
「棒型」と、肩の部分が広がった「いかり型」です。
またろうそくは、重さで区別します。
一匁(匁・もんめ・は約3.75グラム)でおよそ三十分、 五匁で一時間半ほど燃えつづけます。
櫨の実から搾り取った木蝋を加熱して溶かし、和紙およびイグサの芯から作った灯心で作った芯の周りに手でかけて乾燥させて作る。
完成したろうそくは、断面が年輪状になり、 ハゼの油のみで作ったろうそくが最も高級とされています。
洋ろうそくに比べ光が強く、長時間保(も)つと言われています。
また融点が低いため融けたロウの温度が洋ろうそくに比べて低温であるようです。

室町時代に中国から渡来し、江戸時代に最盛期を迎えた和ろうそくですが
明治以降は洋ろうそくや電気の普及にしたがい生産量は減少してきました。

何でもない日々の暮らしを和ろうそくの灯りで彩ってみてはいかがでしょうか。
DATA: 写真・文 橋本忍
鐘の音に心を澄ます

2008年も残すところあと1週間余り。
今年もまた1年があっという間に過ぎていってしまう。
子供の頃は1年があんなに長く感じたのに、どうして大人になると1年がこんなにも早く感じてしまうのだろうか。
楽しい時間はあっという間に過ぎ去って・・・というのが世の常ならば、なかなか不思議な現象に遭遇していることになるのだが、きっとそれが大人になるという事なのだろう。
2008年の最後の日、つまり12月31日は大晦日である。
大晦日には様々な年越し行事が行われるが、寺院を訪れて「除夜の鐘」を撞きにいく方もおられるのではないだろうか。
ご存知の通り、除夜の鐘は108回。この108という数には諸説があるが、一般的に広く知られているのは、「人間の108ある煩悩を滅するために撞く」ということだろう。
詳しく調べてみると「眼・耳・鼻・舌・身・意の六根のそれぞれに好・悪・平があって18種。この18種にそれぞれ浄・染の2種があって36種。この36種を前世・今世・来世の三世に配当して108となり人間の煩悩の数を表す」のだそうだ。
また、「月の数の12、二十四節気の数の24、七十二候(二十四節気をさらに約5日ずつ分けた期間のこと)の数の72を足した数が108となり1年間を表す」という説もあり。
どちらにせよ、この1年間を総括して感謝と反省、そして願いを込めて鐘を撞けば、その音色は自分の心に清々しく響き渡ることだろうと思う。
鐘の音に、耳を澄まし、心を澄ましてみる。
自分自身と向き合って己を見つめなおしてみる。
そして、新たなる歩みを踏み出していく。
2009年の鐘の音は、きっと福音になるに違いない。
さて、この冬至の回をもって2008年の「時雨」も更新納め。
次回は新年明けて、1月5日の小寒でお会いしましょう。
皆様、2008年のご愛読ありがとうございました。
よいお年を。

撮影場所・西本願寺札幌別院
DATA: 写真・文 山田憲治
時雨フォト募集
時雨では読者の撮った「時雨フォト」を募集しています。
テーマは、あなたなりに感じる「時雨」を表現した写真であればOKです。
時雨チームの選考によりサイトに掲載させて頂きます。
投稿はこちらより
時雨では読者の撮った「時雨フォト」を募集しています。
テーマは、あなたなりに感じる「時雨」を表現した写真であればOKです。
時雨チームの選考によりサイトに掲載させて頂きます。
投稿はこちらより
季のこと綴り
自分だけの、自分のための、ちょっと特別なカレンダーを。
これからの1年、美しく粛々とした季の暮らしに触れて過ごしてみたいと思います。
冬至のくらしごと
~漆器のあつかい~
乃東生~ナツカレクサショウズ
年末年始をはさむこの時期は
師も走る慌ただしさと、打って変わった静けさとが共存する
実に日本らしい節気
うるしもの

今年最後の「くらしごと」として
お正月に使う「漆器」の準備をしてみよう。
湿気・乾燥の両方を嫌う、デリケートな器・・それが漆器。
欧米では「Japan」と尊敬を込めて呼ばれるほど
その美しさは日本人のみならず、人の心をとらえるものがあるみたい。
デリケートなものほど・・
手間がかかるものほど、に審美的価値をもつもの。
漆器も現代ではそれを模した成分が開発されたり
ベースとなるものも木よりプラスチックのものが多くなり・・と
やや寂しい変化をしてきているけれど
せめて、新年を迎えるこのとき位は
本物の漆の手触りや美しさを愛でながら過ごしたいもの。
漆器は使う数日前に箱から出し、カビやくすみを確かめる。
くすみがあったら乾いた布で拭き擦るように
「からぶき」は漆に最も優しい作業
そしてあとは・・出番をゆっくりと待つだけ。
一年に一度だけ、いそいそと出してくる
そんな器が、あっても良いのかもしれない
そんな漆器の支度もまた、師走の喜びであったりもして。
冬至冬中冬初め とうじ ふゆなか ふゆはじめ

冬至を境にして日はだんだんと長くなり、寒さはますます強くなる
この頃に戴く習慣のあるかぼちゃ、他にきんかん、ゆずなどは
そんな寒さから身体を守り、風邪を予防する意味でも
まったくもって理にかなったたべもの
冬至かぼちゃもいいけれど
今年は
この時期に昔から薬代わりに作られていた「はちみつ生姜」を作ってみたい
作り方は簡単
生姜を薄切りにし、たっぷりのハチミツに漬けるだけ
生姜の成分がゆっくりと溶けだしたはちみつは
湯に溶かせば甘いしょうが湯となり心も体も温める
キッチンの片隅におく常備薬
冬の楽しみがまた増えた。
DATA: 文・写真 井川美香
時雨shigure 次回更新は【小寒・1月5日】の予定です
about 時雨 Shigure
和と上手に暮らすライフスタイル提案マガジン
二十四節気(にじゅうしせっき)の各時節柄にフォーカスを当て札幌を中心に活動する各方面のプロが
Moditional = [traditional + modern]
をキーワードに、各視点から「和と現代の暮らしをクロスオーバー」させ、心と暮らしを豊かにするスタイルを提案していこうというプロジェクトです。
違う分野で活動する面々が、どんな Moditional を展開しコラボレートしていくのか私たち自身もとても楽しみにしています。
和と上手に暮らすライフスタイル提案マガジン
二十四節気(にじゅうしせっき)の各時節柄にフォーカスを当て札幌を中心に活動する各方面のプロが
Moditional = [traditional + modern]
をキーワードに、各視点から「和と現代の暮らしをクロスオーバー」させ、心と暮らしを豊かにするスタイルを提案していこうというプロジェクトです。
違う分野で活動する面々が、どんな Moditional を展開しコラボレートしていくのか私たち自身もとても楽しみにしています。
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by shigure_project
| 2008-12-21 00:00
| 【冬至】