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時雨 shigure

小寒 shoukan 0105

二十四節気、一年間限定のスタイル提案blog
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冬至より一陽起るが故に陰気に逆らう故益々冷る也  <暦便覧より>


この日は寒の入り、これから節分までの期間が「寒」である

寒さはこれからが本番

池や川の氷も厚みをます頃




Hashimoto Shinobu × Nitayama Tadashi

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真っ黒い鉄釉の皿に水仙と梅を飾る

床の間の空気がぴんと張る

新しい年が始まる

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小寒 shoukan 0105_c0163908_19493448.jpg仁田山禎士 -Nitayama Tadashi-

はなうさぎ
札幌市豊平区平岸4条7丁目10-16     
TEL・FAX 011-813-3430
OPEN 10:00~19:00
日曜定休

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橋本忍 -Hashimoto Shinobu-

TENSTONE
札幌市中央区南3条西8丁目島屋ビル2F     
TEL・FAX 011-261-6921
OPEN 11:00~21:00


DATA:フラワーアレンジ 仁田山禎士 / 器・写真・文 橋本忍



BGM : chet baker - time after time...





いり番茶を嗜む

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京都の老舗、『一保堂茶舗』から「いり番茶」を取り寄せてみた。
時雨の発信地である、ここ北海道ではあまり馴染みのないお茶だが、京都では「京番茶」と呼ばれ最も親しまれている番茶なのだそうだ。


はじめていり番茶を飲むという人は、まずその独特の香りに驚くだろう。タバコの匂いや焚き火の匂いに似ているといわれているらしいが、その香りがクセになり、いり番茶のファンになる人も多い。
あまりにも独特な香りと風味なので、好き嫌いがでることも少なくはないが、ハマる人はどっぷりとハマってしまう、そんな魅力を秘めたお茶なのだ。
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驚くのはそれだけではない。茶葉も普通の茶葉とは違ってまるで落ち葉のよう。焦げ目がついていたり、枝が入っていたり、とにかく一見して普通の茶葉とは違う。
これは茶葉を摘んですぐに蒸し、揉まずに開いたままの葉、茎、枝を乾燥させたあと、短時間に強火で炒りあげて完成させるからこういう形状になるのだという。

お茶の淹れかたは、ヤカンでたくさん淹れるにしろ、急須で少しだけ淹れるにしろ、沸騰したお湯に茶葉をいれておおよそ10分以上そのままにしておく。けして茶葉をお湯の中でゆらしたりしないのがポイントなのだそうだ。
僕はこの瞬間にお茶を淹れるという行為の醍醐味を感じる。茶葉の量、お湯の量、お湯の温度、そのまま放置しておく時間など、すべての条件が整わなければ、茶葉本来の最高の味は出ないだろうと思うからだ。

お茶に限った話ではないが、つまり「カオス」というやつである。一定の法則はあるけれどそれが決定的ではない。なにかひとつでも欠けたり、違ったりするだけで全く違うものになってしまう。僅かな誤差が生じただけでも同じ味を表現することは不可能になる。いり番茶の独特の香りや風味は、とくにそういった「環境」に左右される難しい品種らしい。
その中で自分の味、自分のレシピを見つけて、味はもちろん、淹れ方からこだわって楽しむことも一興ではないだろうか。

一保堂茶舗の「いり番茶」、京都の方には「なにをいまさら」な話かもしれないが、まだ飲んだことがないという方はぜひ。
なかなかクセになる味に魅了されてみませんか?


DATA:  写真・文 山田憲治


時雨フォト募集

時雨では読者の撮った「時雨フォト」を募集しています。
テーマは、あなたなりに感じる「時雨」を表現した写真であればOKです。
時雨チームの選考によりサイトに掲載させて頂きます。
投稿はこちらより



手削りの箸

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私たちが毎日使う道具の一つに箸があります。

毎日使うものだからこそ、
きちんと使いたい。
気持ちのいいものを使いたい。

僕が使っている箸は燻した竹を削った自作の箸ですが、2年ちかく使っていると先は丸くすり減ってきます。
これもまた暮らした証。

そこで、
新年ということもあり箸の手入れをしてみました。



すり減った箸先を鉋や小刀で丁寧に削っていき、
好みの箸先に仕上げたら亜麻仁油を塗り込みます。小寒 shoukan 0105_c0163908_15542162.jpg


古来より万物八百万(やおよろず)に魂(神)が宿ると言われてますが
付喪神(つくもがみ)という神様をご存知でしょうか。
作成ないし誕生してより長い時間を経てその役目を果たし、あるいは単に長い年月を経て健在でありつづけた古物などには魂が宿り付喪神となるとして、これを畏怖し供養するという習慣。

これらの価値観をもたらす合理的な背景としては、古道具などを大切に扱い手入れを絶やさぬようにという教訓的なものや、手入れの疎かな古道具を安易に用いることによる破損や事故の回避、長く身の回りの役に立ってくれた道具などに対する感謝の情などとして解釈されています。



こうして普段の暮らしに感謝と敬意をこめ、付喪神が宿るのを期待し身近な道具を手入れをしてみてはいかがでしょうか。
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その人にあった箸の長さは「一咫半」ひとあたはんと言われています。
人差し指と親指を直角に開いた時の指先の距離を「一咫」とし、その1.5倍の長さです。


DATA:  写真・文 橋本忍



季のこと綴り


日々の暮らしのカレンダー。でも、それに従うだけじゃつまらない。

自分だけの、自分のための、ちょっと特別なカレンダーを。

これからの1年、美しく粛々とした季の暮らしに触れて過ごしてみたいと思います。


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小寒のくらしごと
~墨を磨る~

水泉動~シミズアタタカヲフクム

あけましておめでとうございます。
新しい年を迎え、その清々しさに触れると
なんとなく、襟を正したくなるもので不思議。


小学生の頃は・・決まってこの時期になると
「書き初め」をしたものです。
取りだした文鎮の冷たさに苦笑いをしながら
「元旦」 「はつはる」 「はつひので」
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大人になって、めっきり筆を持つ機会が減ったけど
久しぶりに墨の匂いをかぐお正月もよいかもしれない。


構えることはないのです。
小さな硯と小さな筆、墨と紙があればそれだけで。


墨や墨汁の中にはアロマセラピーでも使われる
パチュリーというシソ科の植物から抽出された成分が含まれているのだそう

墨独特のあの香りを嗅ぐと
スッと心が落ち着くような気がするのは
パチュリーが持つ鎮静作用のせいらしい

いにしえの昔、襖に墨で描かれていた絵
これは、パチュリーのもう一つの作用である防虫のためと・・
そしてこんな心を落ち着かせるためのものでもあったと言われています

そう聞くと「筆を持つ」時間が、ことさらに心地よく感じます。

そして・・掌で包めるような大きさの水差し。
気軽に楽しむ“小さな書”には、こんな可愛らしい愉しみもついてきます

小筆、小硯ならではの趣きです。



「年頭の・・・」なんて大げさに考えないで
お茶でもしながら気軽に筆を走らせてみるのも良いかもしれない
例えば今夜の“おしながき”なんて?
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DATA: 文・写真 井川美香




時雨shigure 次回更新は【大寒・1月20日】の予定です




about 時雨 Shigure

和と上手に暮らすライフスタイル提案マガジン
二十四節気(にじゅうしせっき)の各時節柄にフォーカスを当て札幌を中心に活動する各方面のプロが
Moditional = [traditional + modern]
をキーワードに、各視点から「和と現代の暮らしをクロスオーバー」させ、心と暮らしを豊かにするスタイルを提案していこうというプロジェクトです。
違う分野で活動する面々が、どんな Moditional を展開しコラボレートしていくのか私たち自身もとても楽しみにしています。

by shigure_project | 2009-01-04 23:59 | 【小寒】